太平洋コンサルタント株式会社

コンクリート診断・試験、環境分析のご用命は太平洋コンサルタントまで!

アスベスト調査・分析

当社はアスベスト調査・分析において30年の実績があります。その実績をもとに、2023年の法改正で対象範囲が広がった建築物石綿含有調査に対応しております。調査には建築物石綿含有建材調査者がお伺いし、ご相談の上対応いたします。また、厚生労働省通達による6種類のアスベスト分析を行っております。

アスベストについて

アスベストは、耐熱性、曲げや引っ張りに強い、耐薬品性などの特徴から建築資材に幅広く利用されていました。しかし、中皮腫(潜伏期間20~50年)など、アスベストによる健康被害が徐々にわかり、1980年代より欧州、アメリカで使用が規制(全面禁止)されました。 日本では、2006年に使用が全面禁止されました(工作物の一部は2012年)。

厚生労働省のアスベスト分析マニュアルでは、次の6種類の鉱物がアスベストとして定義されています。
  • ・蛇紋石族の造岩鉱物に属する繊維状のけい酸塩鉱物
    1. ①クリソタイル(白石綿)
  • ・角閃石(かくせんせき)族の造岩鉱物に属する繊維状のけい酸塩鉱物
    1. ② アクチノライト
    2. ③ アモサイト(茶石綿又はカミングトン・グリューネル閃石)
    3. ④ アンソフィライト
    4. ⑤ クロシドライト(青石綿)
    5. ⑥ トレモライト

又は、これらの一若しくは二以上を含有する混合物。

アスベスト(石綿)含有建材について

アスベストを用いた建材は、石綿粉じんの発がん性等を考慮して、3つのレベルに分類されています。 該当のレベルにおける作業内容に応じた適切な対策を講じる必要があります。 ※あくまでも便宜的な分類であり、解体等における作業方法によっても発じん性の度合いは異なるので、状況に応じて異なるレベルにおける対策をとることも検討が必要です。
参考:厚生労働省アスベスト分析マニュアルへのリンク (https://www.mhlw.go.jp/content/000919436.pdf)
レベル1 レベル2 レベル3
建材の種類 石綿含有吹き付け材 石綿含有保温材等 石綿含有成形板等
発じん性 著しく高い 高い 比較的低い
 

アスベスト事前調査について

アスベスト事前調査を求める法令

これらの法令の要請から、アスベストの調査が必要です。

●日々の暮らしの中で、アスベストによる健康被害から生活者を守る法令

環境省「大気汚染防止法」

令和2年6月改正、令和3年4月より順次施行

  1. ① 建築物等の解体工事におけるアスベスト(石綿)の飛散を防止するため、以前は対象外だった石綿含有成形板(レベル3)※1を含むすべての石綿含有建材が規制の対象になりました。
  2. ② 石綿含有建材の有無にかかわらず、一定規模以上の建築物等について、元請事業者または自主施工者がアスベストの有無に関する事前調査結果を都道府県に報告することが義務付けられました。
  3. ③ 事前調査は「必要な知識を有する者」が決められた方法で実施することが義務付けられました。
  4. ④ 事前調査に関する記録の作成と、工事終了後3年間の保存が義務付けられました。
  5. ⑤ 正しい方法で作業が実施されていない場合は、直接罰が適用されるようになりました。

 ※1 石綿含有成形板は、一般的な住宅でも利用されています。

出典:環境省 石綿糸散防止等に係る普及啓発・広報資料へのリンク(https://www.env.go.jp/air/asbestos/kouhou.html)

 

●労環境の中で、アスベストによる健康被害から労働者を守る法令

厚生労働省労働安全衛生法に基づく「石綿障害予防規則」

令和2年7月改正、令和3年4月より順次施行

  1. ① 建築物の解体・改修・リフォームなどの公示対象となるすべての材料について、アスベスト(石綿)含有の有無を設計図書等の文書と目視で調査し、その記録を3年間保存する必要があります。
  2. ② 建築物の事前調査は、厚生労働大臣が定める講習を修了した者等が行う必要があります。
  3. ③ 事前調査の結果は電子システムで届け出る必要があります。

        ※アスベストの事前調査結果の報告は、解体・改修工事を請け負った元請事業者が、電子システム「石綿事前調査結果報告システム」で届け出を行う必要があります。

  4. ④ アスベストの除去工事は、14日前までに労働基準監替者に届け出る必要があります。
  5. ⑤ 石綿含有成形板を切断・粉砕する場合は、作業場を隔離する必要があります。
  6. ⑥ 除去工事終了後作業場の隔離を解く前に、資格者がアスベスト(石綿)の取り残しがないことを確認する必要があります。
  7. ⑦ アスベスト(石綿)が含まれている建築物、工作物または船舶の解体・改修工事は、作業の実施状況を写真等で記録し、3年間保存する必要があります。

出典:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイトへのリンク(https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/pdf/leaflet-worker.pdf)

 

アスベスト事前調査の報告が必要な工事

下記の工事を行う際には、工事開始前にアスベスト(石綿)の有無の調査を行い、労働基準監督署及び都道府県へ報告する必要があります。

  1. ① ビル・工場や住宅などの解体 解体部分の床面積が80m2以上の建築物の解体工事
  2. ② ビル・工場や住宅などの内装外装の改修・リフォーム 請負金額が100万円以上の建築物の改修工事
  3. ③ ボイラー・配管設備・トンネルの天井板・遮音壁などの解体や改修 請負金額が100万円以上の工作物の解体工事・改修工事
  4. ④ 船舶の解体・改修 総トン数が20トン以上の船舶の解体工事・改修工事

出典:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイトへのリンク(https://www.ishiwata.mhlw.go.jp/pdf/leaflet-worker.pdf)

 

アスベスト調査の流れ

  • ① 発注者等関係者に対するヒアリング

    ①発注者が所有する資料の有無、②調査目的、③調査の対象・範囲・箇所、④調査作業時の補修方法などをヒアリングします。

  • ②設計図書等の書面調査

    設計図書から建物各部屋ごとの石綿(アスベスト)含有建材や、含有懸念建材を把握します。 ※設計図書が現存しない場合はヒアリングののち、現地調査を行います。

    設計図書による調査

    設計図書による調査

  • ③現地調査

    図書調査にて得られた情報を基に、現地にて図書調査結果と相違ないか確認します。図書調査結果と現存建材が異なる場合は、現存建材の情報を報告書に盛り込みます。天井や壁に使用されている成型板の裏面に不燃番号などの情報が記載されているか確認し、読み取ることのできた情報は「石綿(アスベスト)含有建材データベース」や各メーカー情報と照合し、含有有無の判断材料とします。上記にて含有の有無が特定できなかった建材については、石綿含有とみなすか、試料を採取して分析を行い含有有無を判断いたします。

    現場での建物診断の様子

  • ④試料採取

    現地調査により石綿(アスベスト)を含有する可能性がある施工範囲を特定し、試料採取範囲を決定します。試料採取にあたっては、「建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル」を参照し、十分なばく露防止を行います。採取した試料は密閉できる容器に入れて管理します。

    外壁塗装採取

    外壁塗装の断面(4層)

  • ⑤分析

    アスベスト分析マニュアルおよびJISに従い、経験豊富な有資格者が分析を行います。お客様と相談の上、そのほかの方法で分析を行うことも可能です。

  • ⑥報告書提出

    試料受領後通常5営業日、お急ぎの場合は1~3営業日で報告書を発行いたしますのでご相談ください。石綿障害予防規則(石綿則)第3条第5項に基づく事前調査における石綿分析結果報告書を発行しております。お客様に正しい結果をご提供できるように、分析者が作成した報告書は必ず管理者がその内容を確認します。

参照:厚生労働省アスベスト分析マニュアルへのリンク (https://www.mhlw.go.jp/content/000919436.pdf)

石綿障害予防規則など関係法令へのリンク (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/sekimen/jigyo/ryuijikou/index_00001.html)

 

アスベスト分析について

アスベスト定性分析

●アスベスト分析マニュアル第3章 定性分析方法1、JIS A 1481-1

一般的かつ短納期で可能な 分析方法です

* 試料到着後、通常5営業日にて速報を発行いたします。 1~3営業日での対応が必要なお客様はご相談ください。

偏光顕微鏡観察偏光顕微鏡観察

観察されたアスベスト繊維観察されたアスベスト繊維

実体顕微鏡および偏光顕微鏡で検体内にアスベストが存在するかを確認する方法です。 アスベストを同定、質量分率を推定します。

0.1%を超えた場合、労働安全衛生法令の規制の対象となります。

出典:厚生労働省アスベスト分析マニュアルへのリンク (https://www.mhlw.go.jp/content/000919436.pdf)

 

当社で実施可能な主なアスベスト分析

JIS A 1481-1 JIS A 1481-2 JIS A 1481-3 JIS A 1481-5
試験装置 偏光顕微鏡 実体顕微鏡 他 X線回折装置 位相差分散顕微鏡 X線回折装置 X線回折装置
定性/定量 定性分析 推定定量分析 定性分析 定量分析 定量分析
特 徴
  • ・ISO22262-1に相当
  • ・短納期で分析可能
  • ・旧JIS法(2008)に相当
  • ・分散染色法
  • ・旧JIS法(2008)に相当
  • ・アスベスト濃度の定量分析
  • ・ISO22262-3に相当
  • ・5%未満のアスベスト濃度の定量分析

その他にも、TG-DTA、TG-MS、FT-IRを用いた独自の解析も実施可能です。

出典:厚生労働省アスベスト分析マニュアルへのリンク (https://www.mhlw.go.jp/content/000919436.pdf)

 

当社在籍のアスベストにかかる有資格者数

・アスベスト事前調査
 一般建築物石綿含有建材調査者 13名
 特定建築物石綿含有建材調査者 2名
・アスベスト分析調査
 石綿分析技術評価事業    評価区分1 5名
             評価区分3 1名
             評価区分4 3名
             評価区分5 1名
アスベスト偏光顕微鏡実技研修(建材定性分析エキスパートコース)修了者 1名
石綿障害予防規則第3条第6項に基づく分析調査者 偏光顕微鏡法(定性) 3名
                        位相差・分散顕微鏡法(定性) 4名
                        X線回折分析法(定性・定量) 3名

※日本作業環境測定協会、日本環境測定分析協会、日本繊維状物質研究協会による認定資格

各業務に対応した有資格者が書面・現地調査から、採取、分析まで承ります。 お客様のアスベスト関連業務を一気通貫でトータルにサポートいたします。

 

その他のアスベスト測定

空気中濃度測定

建築物・工作物の解体・改修作業やそれに伴うアスべスト除去作業中に、空気中のアスべスト濃度測定を行います。また、作業環境・室内環境・大気汚染防止等での調査も行っております。採取した試料は位相差顕微鏡観察にて分析を行います。

解体現場でのモニタリング状況(作業室内)解体現場でのモニタリング状況(作業室内)

解体現場でのモニタリング状況(除塵装置出口)解体現場でのモニタリング状況(除塵装置出口)

位相差顕微鏡観察像位相差顕微鏡観察像

 

アスベストアナライザーによる分析

当社では、アスベストアナライザー、Thermo Fisher SCIENTIFIC社製「マイクロフェザーAS」を所有しております。近赤外分光法を利用した携帯型のアナライザーは、対象物を非破壊で、その場で即時(約10秒)に結果を判別できます。検出限界濃度は1~2%のため、アナライザー単体では含有・非含有の確定はできません。工事現場などで、「石綿飛散漏えい対策が必要かどうかをすぐ知りたい!」という場合などに、とりあえずアスベストが「ある」ことを判定し、素早い判断を行いたいときなどに使利です。 当社の社員がこのアスベストアナライザーを用いて現場での調査を行うほか、アスベストアナライザーが一時的に必要となったお客様に貸出も行っております。

アスベストアナライザーによる分析

アスベストアナライザーによる分析

アスベストアナライザーによる分析

アスベストアナライザー

 

熟練の技術者がお客様のアスベスト関連業務を一気通貫でトータルにサポートいたします。 大型案件も対応可能です。まずはぜひお問い合わせください!

アスベストに関する情報はこちらもご参照ください

関連する技術はこちら

当ページのパンフレットはこちら

ご相談・ご依頼はこちら