太平洋コンサルタント株式会社

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偏光顕微鏡

中性化塩害化学的劣化ASR強度凍害ポップアウト火災

偏光顕微鏡を用いた観察により、アルカリシリカ反応(ASR)以外にもコンクリートの各種劣化現象の発生原因を推定できます。また、セメント系材料、および土壌などに含まれる物質も同定でき、偏光顕微鏡は様々な試験で広く活用できます。アルカリシリカ反応(ASR)についてはこちらのページをご覧ください。

ポップアウト

ポップアウトの起点となった物質を確認し、その物質を含むようにコンクリート薄片を作製して偏光顕微鏡観察を行ないます。これにより、ひび割れの発生状況、および起点物質に含まれている有害鉱物を同定します。

ポップアウト

ポップアウトを生じたこのコンクリートでは、起点物質から放射状に延びるひび割れ(矢印)が観察できます。この事例では、起点物質に含まれる有害鉱物が濁沸石であることも分かります。
ポップアウトの起点物質、そこに含まれる濁沸石(左:実体顕微鏡写真)(右:偏光顕微鏡写真)

エトリンガイトの遅延生成(DEF)

コンクリートのひび割れを観察し、そこからコンクリート薄片を作製して偏光顕微鏡観察を行ないます。骨材とセメントペーストの界面、およびセメントペースト中のひび割れに注目し、エトリンガイトの生成確認と合わせてDEFによる膨張・劣化を評価します。

DEFを生じたこのコンクリートでは、骨材とセメントペーストとの界面、およびセメントペースト中に、内部にエトリンガイト(灰色~黒色)が充填したひび割れ(矢印)が観察できます。

エトリンガイトの遅延生成(DEF) DEFによる膨張ひび割れ(偏光顕微鏡写真)

セメント系材料

コンクリートから作製した薄片の偏光顕微鏡観察を行ない、セメントペーストに含まれるフライアッシュ・高炉スラグ微粉末などの混和材の有無を確認することができます。 また、歴史的構造物においては、クリンカ粒子を観察することで、セメントの焼成方法や焼成条件を把握し、建設時期をある程度推定することができます。例えば下の写真のように、縦窯が主流であった明治期のクリンカと回転窯に移行した昭和初期のクリンカには明らかな違いがあり、どちらの時代のものかを判断できます。

フライアッシュの球状粒子フライアッシュの球状粒子

高炉スラグ微粉末高炉スラグ微粉末

混和材として代表的なフライアッシュ(球状)や高炉スラグ微粉末(破片状)には、塩分の浸透やASRに対しての抑制効果があります。

ボート型ビーライト(明治初期のコンクリート)ボート型ビーライト(明治初期のコンクリート)

球状ビーライトの群晶(昭和初期のコンクリート)球状ビーライトの群晶(昭和初期のコンクリート)

ボート型のビーライト(C2S)は竪窯(超徐冷)、クロスラメラを有する球状のものは回転窯(急冷)による焼成を意味します。現代では後者が一般的です。

土壌、その他物質

土や粉体などに対しても偏光顕微鏡下で観察を行ない、含有物質を同定します。 左は平成30年北海道胆振東部地震により液状化した火山灰盛土を観察した事例です。大量の火山ガラスを含むことが明らかになり、別に実施した粒度分析の結果も踏まえ、液状化しやすい盛土であることが推測されました。右は平成21年2月2日に埼玉県内で採取した粉塵が同日未明の浅間山の噴火による火山灰であったことを確認した事例です。浅間山の火山灰が埼玉県まで及んだことが顕微鏡観察により明らかになりました。

火山灰盛土に含まれる大量の火山ガラス火山灰盛土に含まれる大量の火山ガラス

埼玉県内に降下した浅間山の火山灰埼玉県内に降下した浅間山の火山灰