中性化
中性化とは、大気中の二酸化炭素などの影響で、コンクリートのアルカリ性が低下する現象で、鉄筋の防錆機能が低下する恐れがあります。構造物の耐久性評価や寿命予測のため、中性化深さを知ることが重要です。
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フェノールフタレイン法(JIS A1152)
採取したコンクリートコア、小径コアあるいはコンクリートのはつり面に、指示薬のフェノールフタレイン溶液を噴霧し着色していない部分の深さを中性化深さとして測定します。
ドリル法(NDIS 3419)
ドリル削孔時に落下する削孔粉をフェノールフタレイン溶液を吸水させたろ紙で受け、ろ紙が着色したときのドリル削孔深さを中性化深さとして測定します。
測定原理フェノールフタレイン溶液は、pH指示薬の一種であり、コンクリートに溶液を吹付けると、pH8.2〜10.0以上のアルカリ側で赤紫色に変化し、中性化領域で変色しないことを利用しています。
採取法 | 特 徴 |
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コア法 | コアの側面または、割裂面やカット面に試薬を噴霧し、中性化深さを測定します。 |
小径コア法 | 圧縮強度試験用コアの側面に試薬を噴霧し、中性化を測定します。 |
ドリル法 | フェノールフタレイン溶液を含ませたろ紙でドリル粉を受け赤紫色に変色した時点で、ドリル削孔を停止し、その時のドリルの削孔深さを中性化深さとします。 |
中性化反応式
CO2とセメント水和物(アルカリ性)との反応により中性の炭酸化物を生成します。
- ● 水酸化カルシウムの炭酸化
Ca(OH)2 + CO2 ⇒ CaCO3 + H2O - ● カルシウムシリケート水和物(C−S−H)の炭酸化
C−S−H + αCO2 ⇒ αCaCO3 +SiO2・mH2O (β−m)H2O
α=C/S, β=H/S of C−S−H - ● モノサルフェートの炭酸化
3CaO・Al2O3・CaSO4・12H2O + 3CO2
⇒ 3CaCO3 +CaSO4・2H2O +Al2O3・nH2O + (10−n)H2O - ● フリーデル氏塩の炭酸化
3CaO・Al2O3・CaCl2・10H2O + 3CO2
⇒ 3CaCO3 +CaCl2(Ca21+Cl ) +Al2O3・nH2O + (10−n)H2O