コンクリートの細孔径分布は、強度や耐久性と密接に関係します。細孔径分布は水銀圧入ポロシメーターにより評価することができます。数百μmから数nmまでの細孔について、大きさごとに存在量を求めます。
試料に水銀を高圧で注入し、加えた圧力と注入された水銀の量との関係を基に、細孔径分布を求めます。加える圧力Pと水銀が注入される細孔の直径Dの間には式(1)の関係があり、両者は反比例します。すなわち、圧力を増加させると、それに応じて水銀はより微細な孔に注入されます。圧力を段階的に変化させながら水銀の注入量を求め、それをその圧力に相当する大きさの細孔の累積量とします。こうすることにより、細孔の大きさごとに存在量が求められます。
二つのコンクリートの細孔径分布です。BはAと比べ炭酸化反応が進んでいるものです。炭酸化により生成物の種類と大きさが変化し、細孔径分布が変わったものと考えられます。