コンクリートの圧縮強度は、構造物の耐力上重要であるばかりでなく、耐久性を評価する上でも重要な要素であり、精度の高い調査が求められています。実際の構造物では、小径コアによる圧縮強度の評価も行われています。
コンクリート強度は、コアボーリングやソフトコアリングにより採取したコアの強度試験を行う方法と、反発度から強度を推定する方法があります。
既存コンクリートからコアを採取し、圧縮強度や静弾性係数を測定します。強度以外にも、中性化深さ、配合推定、アル骨の検査に利用することもあります。構造物から直接コアを採取できるので、劣化状況の確認を正確に行うことができます。
ソフトコアリング法では、既存コンクリートから直径25mm程度の小径コアを採取して、圧縮強度試験を行います。小径コアと従来のφ100mmコアの関係式から、小径コアの圧縮試験値に補正係数を乗じて値を推定します。
試料採取
圧縮試験
ソフトコアリング法の特徴
直径100mmのコアを用いることなく、小径コアで圧縮強度の情報を得ることが可能です。そのため従来コアに比べて、構造物に与える損傷が小さく、今まで採取が難しかったPC部材や過密配筋の構造物にも適用の可能性が広がります。
反発度法では、リバウンドハンマ(シュミットハンマ)により、コンクリート表面を打撃し、その反発硬度から圧縮強度を推定します。試験方法が簡単で構造物に損傷を与えない非破壊試験です。
コンクリート面の打撃反発度Rとコンクリート圧縮強度Fcとの間に特定の相関があることから、その関係式から圧縮強度を推定します。