技術特集

アルカリ骨材反応

アルカリ骨材反応は「コンクリートのガン」ともいわれ、建造物の耐久性を大幅に下げる原因になります。アルカリ骨材反応のメカニズムは、セメント・コンクリートに含有されるアルカリ分(NaとK)に、非晶質のシリカなど反応性物質を含む骨材が反応するため。その結果、アルカリシリカゲルが発生し、コンクリート内部の水分を吸って膨張し、ひび割れが生じるのです。

アルカリ骨材反応はなぜ起きる?

アルカリ骨材反応を起こす鉱物は、反応性の高いシリカ鉱物です。その代表例は、クリストバライトやトリジマイト、さらには結晶の小さい石英,非晶質の火山ガラスなど。このような鉱物は、安山岩のような火山岩や、チャートといった堆積岩に含まれています。

反応性の高いシリカ鉱物を多く含む骨材をコンクリートに使用した場合、コンクリート中の水分とアルカリ分(NaとK)が反応して、骨材のまわりにゲル状の物質(アルカリ骨材反応ゲル)を生成します。このゲルが水分を吸収して膨張すると、コンクリートが膨張して亀裂が入ってしまうのです。コンクリートに鉄筋が入っていない場合には、表面に亀甲状(マップ状)の亀裂が、鉄筋がある場合は鉄筋に沿った亀裂が生じます。後者の場合、亀裂から水分が侵入して、鉄筋にサビが発生することがあります。

アルカリ骨材反応を防ぐには

アルカリ骨材反応の発生を防ぐには、大きく分けて「アルカリ骨材反応を起こさない“骨材”を使用する方法」と、「アルカリ骨材反応を起こさない“対策”をとる方法」の2つがあります。

 

アルカリ骨材反応を起こさない“骨材”を調べる
アルカリ骨材反応を起こさない骨材を知るため、当社では以下の試験を実施しています。

試験法 特徴
骨材判定(JCI-DD3、-DD4) 骨材に含まれる鉱物を分析し、問題となる鉱物の有無やその量を測定します。
化学法(JIS A1145) 骨材をアルカリ溶液に漬けて、反応性があるかどうかを判断します。
モルタルバー法(JIS A 1146) 分析対象の骨材を使ってモルタルを作り、実際に膨張量を測定します。

アルカリ骨材反応を起こさない“対策”をとる
アルカリ骨材反応を起こさない対策をとるには、コンクリート中に含まれるアルカリ分(Na、K)や、混和剤が持ち込むアルカリ量を制限しなければなりません。そのため、当社では以下の試験を行っています。

試験法 特徴
アルカリの化学分析 セメントや混和剤などに含まれるアルカリ量を測定します。
水溶性アルカリ量 コンクリートに含有され、アルカリ骨材反応に関与する可能性のある、水に溶ける状態のアルカリ量を測定します。

アルカリ骨材反応が起きたら

コンクリートの表面に亀裂が生じたコンクリートを補修をするには、亀裂の原因を調べる必要があります。引き続き膨張する可能性があるのかも確認しなければなりません。当社では、以下の試験を実施することにより、アルカリ骨材反応の有無と膨張の可能性を判定します。

試験法 特徴
SEM/EPMAによる観察 走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは電子線マイクロプローブアナライザー(EPMA)による測定。骨材周囲にゲルが存在し、その形状と組成からアルカリ骨材反応によるものかどうかを判断します。
残存膨張 採取したコンクリートのコアが、今後も膨張する可能性があるかを判定。試験方法により、コンクリート工学協会DD2、カナダ法、デンマーク法があります。

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